土曜の早朝──
まだ街が目を覚ましきらん時間に、相談役の腹が動いた。

「そういや…住吉のマル井パン、最近行っとらんな…」
昔、姐御がよぉ買うてた、“しみじみうまい”焼きたてパン。
あの小麦とバターの香りが鼻先をかすめた瞬間、決まった。
「行こか、ミニベロで」
──西宮えびす神社前から、ポタリング開始や。




🚲 ポタ開始──まずは西宮から住吉、そして神戸三宮へ
今日の愛機は相棒Tern Verge D9の漆黒のミニベロ。
サドルにまたがり、国道2号線を静かに流す。
朝の空気に溶けるように、ペダルを回し続ける。
住吉に到着──だが、なんや物足りん。
足がウズウズしよる。



「せや、三宮まで流してから、帰りに買うたろ」
摩耶で2号線を離れ、旧西国街道へ。
古の街道を滑るように走り抜け、約14km──三宮着や。




🌉 神戸の“裏側”へ──新港突堤から見るメリケンパーク
三宮から南下し、新港突堤へ。
ここには最近できた「ジーライオン神戸」の施設がある。
そこから望むメリケンパーク──
まるで街全体が手のひらに乗ったような絶景や。




立ち寄ったメリケンパークでは、偶然和太鼓の演舞に遭遇。
音が腹に響く。鼓動が重なる。
この迫力、どこか任侠の魂を感じる一幕やった。






🛤️ 廃線跡を走り抜け、パン屋へ──臨港線に思いを馳せる
帰路は、かつての神戸臨港線の跡を辿る。
線路も枕木も今はないが、
かつて“鉄のアウトロー”たちが行き交った風情は、まだ残っとる。



「消えても、残るもんがある。跡やなく、“意志”や。」
コンクリの上を滑るタイヤの音に、あの貨車の響きを重ねる。


🍞 到着、「マル井パン」──飲めるパンとの再会
日差しがきつくなってきた頃、ついに目的地「マル井パン」へ到着。
店構えは昔と変わらんが、
あの香り──あの甘く香ばしい香り──が出迎えてくれる。




一口食べたら…
「これはもう、“飲めるパン”や……!」
小麦の旨味とバターの芳醇さが、
口の中でほどけて、体の中にスッと染みわたる。
パンというより、命の水や。
姉御と若い衆の分含めて8個購入。
精算時、つい、いつものクセが出る。



「釣りは要らん。とっときなはれ」



「……いえ、お金足りませんけど」



「こりゃスマン……」
最近はパンもええ値する時代や。
**マル井パンの価値は、円やなく“記憶に残る味”**で決まるんやけどな。


🔚 まとめ:焼きたてのパンは、焼きたてのうちに届けるのが筋
パンはまだ温かい。
冷めたら“ただの炭水化物”や。
それだけは避けなアカン。
相談役は、ミニベロのギアをひとつ上げ、
パンの香りを背負って事務所へ向かった。
🚲 本日のポタリングルート
起点 | 西宮えびす神社 |
---|---|
中継地 | 三宮、新港突堤、メリケンパーク |
目的地 | マル井パン(神戸・住吉) |
走行距離 | 約30km(往復) |
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