オレたちゃただの走り好きじゃねえ。
ミニベロ担いで、旅と一杯を愛する”旅飲連中(たびのみれんちゅう)”よ。
今回の舞台は、岡山の片鉄ロマン街道。
岡山県道703号備前柵原自転車道線、通称「片鉄ロマン街道」。旧片上鉄道の廃線跡を利用した全長約34kmの自転車・歩行者専用道路だ。2003年11月24日に開通し、岡山県備前市西片上の山陽新幹線高架下を起点に、美咲町吉ヶ原の柵原ふれあい鉱山公園(旧吉ヶ原駅)まで続く。
廃線跡に刻まれた鉄路の記憶─そこをミニベロでなぞるってんだ。風とロマンの匂いに誘われて、オレたちは走る。
この道は、ほぼ平坦で起伏が緩やか、路面も良好なため初心者やファミリー向けのコースと言われている。桜並木が多く春のサイクリングは特に人気があるみたいだ。(後述するが、あくまでも和気駅から出発した場合だ。)
廃線跡の駅舎やプラットホーム、トンネルなど鉄道の面影を感じられるスポットが点在し、ノスタルジックな風景が楽しめるのが特徴だ。
アクセスはやや不便で、起点近くのJR西片上駅は無人駅だがICOCA対応。車の場合は備前市サイクリングターミナルに無料駐車場がある。終点の吉ヶ原駅からの帰りの交通手段は無いため、基本的に自走で戻ることが必要だ。往復68km程度自転車で走行できる自信がないヤツは、和気駅からをオススメするぜ。
①備前市サイクルリングターミナル
兵庫県某所。朝5時。まだ眠気の残る街を横目に、専務と相談役の二人で、相棒(小径自転車)を車に積載した。
まだ空いてる道をかっ飛ばして着いた先は、岡山県の備前市サイクリングターミナル。予定より少し早く、午前8時30分頃に到着。妙に落ち着く空気が流れてる。
だが、今回の道は甘くねぇ。約34km、旧片上鉄道をなぞる、過去と現在が交錯する一本道よ。
以前は、JRの青春18切符を利用して西片上駅まで格安で輪行して行けたが、2024年の冬に青春18切符の内容が改悪され、一般人には扱えない代物となっちまい、実質上の青春18切符終了。
今回仕方なく車で向かったワケだ。無料の駐車場があり、他の会の勢力もぞくぞくと集結していたぜ。
ちなみに、トイレは綺麗に維持されてるんで、みんなで綺麗に使おうぜ。

②ゼロ起点に移動
端から端までなぞるため、備前市サイクルリングターミナルから、一旦、片鉄の片上駅跡地であるゼロ起点まで戻り、ここからスタートすることにした。実際のゼロ起点は少し別の場所にあったようだが。

③0kmポスト〜天瀬(あませ)駅跡
片鉄ロマン街道の案内板通りに進むと、0kmポストを見つけた。まずは、ここから約13km先の天瀬(あませ)駅を目指す。基本、上流に向かって走るので、全体的に緩やかな登りだ。じわじわと足にボディブローのように効いてくるので油断は禁物だ。

緩やかと言いつつ、いきなり清水峠という今回一番高低差がある坂を登るハメになる。初心者はここで一気に脚力を奪われ、戦闘力を失う。頂上に、峠清水トンネルがあり夏でもひんやり涼しく、少しだけ体を癒してくれる。
登った分、少し長い少し下りが続くが、そんなに長くはねぇ。すぐに太ももの筋肉が張り詰める登りが容赦なく襲ってくる。少し踏ん張ると、和気(わけ)駅に到着する。この駅から出発する人も多いようだ。脚力に自信がないヤツは和気駅スタート/ゴールの方が良いかもしれんな。清水峠、帰りは想像以上にしんどいから覚悟が必要よぉ。

和気駅を通過後、5kmほど行くと最初の映えスポット、「天瀬(あませ)駅跡」に到着する。当時使用していたホームと駅舎が残っておりノスタルジックな雰囲気がある。桜の木がたくさん植えられてるんで、春の桜の季節は最高かも知れんな。おじきの背中が懐かしいぜ。


④天瀬駅跡〜苦木(にがき)駅跡
少し休憩をとり、天瀬駅を出発し、約10km先の苦木(にがき)駅を目指す。水分補給とエネルギー補給はしっかりしといた方がいいぜ。
途中、電車の信号機跡や、唯一、水門のところにレールの跡が残っていたぜ。


この区間は、緩やかな登りが続く。たとえ緩やかでも、登りは漕ぎ続けないと止まるんで、脚力を温存しつつ、持続力勝負が必要だ。この日は、帰りの復路で向かい風に会い、かなりの精神的ダメージを食らった。
ぶつぶつぼやいているうちに、苦木(にがき)駅跡に到着。ここも映えスポット。すぐ横に国道も走ってるんで、辛い思いをしなくても、車で来て写真を撮ることも可能だ。女性陣二人組も車で来て写真を撮っていた。



⑤苦木駅跡〜昼食(つるや)
苦木駅跡で、少し長めの休憩をとり約13km先の吉ヶ原(きちがはら)駅跡を目指すが、腹が減ってきたので、ちょっと時間は早いが、寄り道して昼飯を食うことに。途中の備前福田駅休憩所で、トイレタイム。

備前福田駅休憩所の少し先で、片鉄ロマン街道を少し外れて、「おべんとうのつるや 吉井店」へ。お弁当も売っているが、横で定食屋もやっている。結構腹が減ってたのでカツ丼とゆでたまごを注文。カツも揚げたてで、出汁も俺好みでバッチリ。



カツ丼をがっつき、往路の最終目的地、吉ヶ原(きちがはら)駅跡に向けて出発する。
⑥おべんとうのつるや〜吉ヶ原(きちがはら)駅跡
べんとうやから10km弱だが、何やらペダルを漕ぐ足が重い。冬の間の運動不足が祟ったんだろう。太ももがちょっとつり気味だ。様子を見ながら速度を17、8km/hぐらいに調整する。帰りは余裕がなかったが、行きはのどかな風景を楽しむことができた。
吉ヶ原(きちがはら)駅跡に到着。他の高性能自転車もぞくぞくと到着。吉ヶ原駅は、昔グリコのポッキーのCMで菊池桃子さんが自転車で改札を通過するシーンがあった場所。改札はかなり狭いのでよく通ったぜ。彼女はすげぇやつだ。





⑦柵原鉱山資料館
せっかくなので、吉ヶ原駅の近くにある柵原鉱山資料館を見物。昔、この辺りは硫化鉄鉱の採掘場だったようで、当時の様子が再現された模型や資料が展示されていた。昔は、鉱山でとられた硫化鉄鉱石は、鉄と硫酸にわけられ、当時、合成繊維や医薬品など、生活に欠かせない様々なものに利用されていたらしいが、現代では別の技術や海外輸入物などで需要が無くなったようだ。




⑧吉ヶ原駅跡〜備前サイクリングターミナル
さぁ、ここから輪行で帰りたいところだが、なんせ交通手段がねえので自力で車を停めている備前サイクリングターミナルまで帰る必要がある。60km弱は走ったことはあるが、それ以上は未知の世界だ。
専務はまだ余裕があったが、相談役の私は結構足をやられてたんで、休憩を多めにとりながら戻ることにした。帰りは下りが多いと思いきや、結局登りが多いような気がした。疲れていたせいだろう。
敵は登り坂だけじゃねぇ。向かい風も容赦無くやってくる。平坦な場所でも気力だけで漕いでいる私の足が止まってしまう。厄介なヤツだ。
何とかJR和気駅まで辿りつき、かなり長めの休憩をとり、最後の清水峠に備えた。が、やはりキツかった。肩を揺らしながら何とか登りきり、16時頃に備前サイクリングターミナルに到着。
漢たるもの自転車を押して歩く訳にはいかねぇ。


⑨鯰峠のラーメンショップ
事務所への帰還途中、兵庫県の赤穂郡上郡町と赤穂市の間の鯰(なまず)峠にある、自称関西唯一のラーメンショップでラーメンを食うことに。(関西に3店舗あるみたいだが?)
ちなみに、鯰峠の由来は、伝説によると、鯰峠付近の馬路池の恋仲にあった鯰を、大蛇が飲み込んでしまったので、それを弘法大師(空海)が供養し、峠の名前を「鯰峠」にしたらしい。
邪魔した日が、土曜日限定500円ラーメンの日で満席だったため、ちょっと待って入店。背脂醤油系のラーメンで、麺は細麺。スープはあっさりしていて、ついつい飲み干してしまった。これで500円だと、結構お得ではないか。


まとめ:お前さんも来るか?
この道を、ミニベロで駆けたいヤツ。
しかし、逃げ道はねえぞ。失敗したら30kmを徒歩で行け。
鉄の魂と、酒の一滴にロマンを感じるヤツ。
「兵庫県サイクル&ドリンク愛好会」、そんなヤツを待ってるぜ。

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