夜勤明けの空は、どこか物哀しい。自宅で一寝入り、その後、専務の足は迷いなく“あの場所”へ向かっていた。
そう、事務所から歩いて10分、魂の水場──角打ち「ますや商店」へ。
■開店5分前、もう勝負は始まってる
ますやの開店時間は16時。時計を見ると15時55分。ええ時間や思って扉の前に立つと──すでに3人の猛者が中で飲んどる。どないなっとんねん。
※2025/7/9時点では、開店時間が15:30になってます。さすが呑兵衛の心を分かっとる。


この界隈じゃ有名な“飲兵衛の駆け込み寺”。出遅れたら、入る場所あらへんで。戦いや、ここは。
■赤星で幕を開ける一献目
専務は言う。「ここに来たら、最初は赤星やろがい」
サッポロの瓶ビール、通称“赤星”。ラベルの星は、飲み手の心にも火を灯す。

その一口目、喉を抜けるキレの良さに、夜勤の疲れがふわっと溶ける。これが“角打ちの魔法”っちゅうやつや。
■あては、鉄板のポテサラ
赤星に合わせるのは、迷うまでもなく“ますやのポテサラ”。手作り感たっぷりで、マヨの塩梅も絶妙。
一口食えば、脳内に“昭和”が広がる。専務の目が細くなるのは、その優しさのせいや。

■2杯目、プラチナ発注
ビールが空になった専務、すかさず「プラチナちょうだい」とオーダー。
そう、キリンの淡麗プラチナダブル。糖質ゼロの悪魔、いや、味の使者。
「こんなん気休めやけどな」と笑いながら飲み干す専務。グラスが曇る。
■にんにくの素揚げ、味は極道級
ここで、真打ち登場。“にんにくの素揚げ”や。
黄金色の実が、ホクホクに揚がって皿の上に並ぶ。口に放り込めば、甘味と香ばしさが鼻を突き抜ける。

「うまいなぁ……」と専務がつぶやく。だがこの時点で、明日の事務所の環境は地獄に決定や。
■ハイボールで締めるのが専務流
最後は、炭酸弾けるハイボールでフィニッシュ。
氷がカランと鳴る音が、今日の物語にピリオドを打つ。
■帰還と報い
一旦、事務所に戻ってきた専務。だが、その顔を見るなり、若い衆が顔をしかめた。
「専務、くっさ…」「にんにく、兵器ですやん…」「家に入れてもらえまへんで」
だが専務は笑う。「これはな、“戦(いくさ)の匂い”っちゅうもんや」
■ますや──男の社交場
安い。うまい。常連たちも気さくで、気取らん空気がある。
この街に角打ちは数あれど、「ますや商店」は別格や。
専務の行きつけ、「ますや商店」は今日も、午後4時に扉を開ける。
酒と肴と、揚げもん、ついでにおでんの匂いが、男たちを癒やしてくれる。
兄弟たちよ、仕事終わりの一杯、どこで飲んどる?
千円もあったら、ベロベロやで。
角打ちに魂を預けてみるのも、悪くないぜ──。
■金曜日はカレーや
ちなみに、金曜日のみメニューにカレーが登場するで。これ目当てでくる猛者もいるぐらいや。
どこか懐かしい味で、病みつきになること間違いなしや。


■地図とアクセス情報
角打ち「ますや商店」は、兵庫県西宮市の下町にひっそりと佇む老舗の酒屋。
酒屋の一角を改装した立ち飲みスペースが、地元の猛者たちの社交場になっとる。
【地図】
【アクセス】
- 阪神西宮駅東口から徒歩約10分
- JR西宮駅から徒歩20分
- 駐輪スペースなし。徒歩で行くことをオススメや。飲んだら乗れんしな。
■営業時間・定休日(2025年7月時点)
項目 | 内容 |
---|---|
営業時間 | 朝の部 10:00〜12:00頃 夜の部 15:30〜20:00頃 |
定休日 | 日曜・祝日・木曜日(不定休あり) |
座席 | 立ち飲みのみ(約12〜14名) ※14名入ったらもうパンパンや |
支払い | 現金のみ(安さは現金主義の証や) ※はばたんpayはOK。(通称:ますやpay) |

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さんふらわあ弾丸ツアーから阪九フェリーへ
■ 大分行き、客室火災で欠航
会長と共に、さんふらわあ弾丸ツアーで大分行きの計画を立てていたが、何と前夜に船内火災が発生し欠航と来たもんだ。だが、そんなことで予定が狂うと思うなよ。計画が崩れた時こそ、男の真価が試される時だ。
すぐに会長と頭をひねって、阪九フェリーに切り替える。スタンダード和室の往復予約を取り、同じく泊まり勤務明けの会長と一緒に、力強く六甲アイランドへと自走した。
本来乗るはずだった「さんふらわあ ごーるど」は大分で足止め食らってやがる。だが、**阪九フェリー「せっつ」**だけが、ひっそりと停泊している。到着したフェリーターミナルで、もう一つの準備をする。もちろん、明石亭の“弾薬”、つまり酒とつまみをしっかり仕入れておいた。気分はもう、出航準備万端だ。
■ 輪行と乗船
阪九フェリーは、輪行時のサイズに厳格だ。3辺の合計が2mを超えると船室には持ち込めず特殊手荷物運賃が要る。だが、そんなことを言わせるかと14インチで行くことに決めた。
それでも、わざわざメジャーを持った係員が来て計測しやがるが、当然セーフ。男はこうやって乗り越えるもんだ。無事に持ち込み成功だ。
会長と5階のスタンダード和室Aに陣取る。定員14名の部屋、今日は空いているから好きに使っていいと言われた。だからと言っていたずらに散らかすような無粋な真似はご法度や。自転車を片隅に並べ、寝床の準備を始める。旅慣れた会長がいると、やっぱり心強い。
まずは、缶ビールを開けて乾杯だ。これからの旅に思いをはせ、気分は最高潮や。
■ 大浴場とレストラン
船内7階の大浴場へ向かうと、まだガラガラだった。展望露天風呂からは、岸壁で慌ただしく行われてる車両積み込み作業が見える。のんびりと浸かって、次のステージへ進む。
さっぱりしたところで、6階のレストランへ。営業開始の30分前から列ができてやがる。だが、そんなことを気にしているようじゃまだまだだ。窓側の良い席を確保するため、列に加わり、出港と同時にレストランが開店する。目玉は黒瀬ぶりの刺身だ。生ビールとポン酒で、ぜいたくを楽しむ。舌鼓を打ちながら、「これが非日常だ」と心の中で呟く。海を眺めて、最高の瞬間を味わっていた。
その後、日が沈みかけた頃に、「せっつ」は明石海峡大橋をくぐる。いつもの、明石亭 明石海峡大橋下店を海上から眺め、ぶりの刺身を味わいながらポン酒を飲み干し、宴の幕を降ろした。
■ 明石亭で二次会
次に、パブリックスペースのソファに移動し、明石亭を開店する。出港前から何カ所かで開店している奴らもいたが、しょせん素人。真打はワシらや。
酔いが回った頃、22時、スタンダード和室の消灯時刻がやってきた。部屋に戻り、寝床に入るとすぐに深い眠りへと落ちた。
■ 朝、メロンパンとともに
朝、目を覚ますと、横には焼きたてメロンパンが! 会長が早朝の激戦をくぐり抜けて手に入れてきてくれた。メロンパンをかじりながら、船内放送が耳に入る。「山口県宇部沖を順調に航行中」
身支度を整えているうちに、定刻通りに新門司港に到着。次の目的地が待っているぜ。
■ 門司と下関
新門司港からは、無料の送迎バスで門司駅、小倉駅まで行ける。至れり尽くせりや。門司港駅で自転車を組み立て、北九州&関門ポタリングを開始する。海沿いを走り、関門トンネル人道を通り、下関に向かう。
門司側と下関側、それぞれのエレベータ前に半分ずつに分かれたスタンプが設置してあり、両側でスタンプを押すと一つのスタンプが完成する仕掛けだが、うまく押すのが難しい。ここも男の技である。難易度が高ければ高いほど、やり甲斐がある。
下関駅周辺で昼飯を食う。昭和の雰囲気が漂う食堂で、会長はチャンポン定食、ワシは貝汁定食を注文した。周りのオッサンたちは、午前中から瓶ビールを次々に飲んでいるが、ここはグッと我慢や。
その後、筑前植木駅まで輪行し、長崎街道の木屋瀬(こやのせ)宿場跡をポタリングし、遠賀川サイクリングロードへ。強風が吹き荒れたが追い風だったおかげで、非常に快適にサイクリングができた。遠賀川駅に着いた瞬間、土砂降りの雨が降ってきた。タイミングよく駅に避難できたことに感謝しながら、明石亭 遠賀川駅前店を新規開店、電車が来るまで時間をつぶす。
■ 小倉駅から帰路へ
その後、小倉駅まで輪行し、駅ビルのスーパーマーケットで仕入れた後、時間つぶしのため明石亭 小倉駅前店を新規開店、送迎バスで新門司港に戻る。
帰りの船もスタンダード和室Aに陣取る。会長と2人で独占や。レストランには行かず、パブリックスペースで明石亭を再開。存分に飲み食いしたが、明石亭心得の通り、「立つ鳥跡を濁さず」「来た時よりも美しく」の精神で、きれいに片づけて後にした。
その後、大浴場、展望露天風呂で汗を流し、展望デッキで爽やかな夜風に吹かれながら、缶ビールで旅の締めくくり。最高の一杯だ。
そして、部屋に戻り、昨夜と同じ席で寝る。気づけば、神戸まではあっという間だ。もう1往復したいと思った瞬間だった。