土曜日の早朝。まだ街がまどろみの中にある静かな時間に、ヤスは10年前に購入したLOUIS GARNEAU LGS-MV 1を引っ張り出した。久々にこの小さな相棒にまたがり、朝のポタリングへ出発した。
奥さんの愛車で挑む、朝のポタリング
フレームサイズは370。男が乗るにはやや小さめだが、気合でカバーする。タイヤに空気を入れ直し、そっとサドルにまたがった。目指すは灘の裏街道、石田鶏卵前のレトロ自販機だ。
ただしその道中には、あの急坂──深江ベタ踏み坂が待ち構えていた。

芦屋を抜け、坂のふもとへ
芦屋のシーサイドタウンを横目に、海風とともにゆるやかにペダルを回す。最初は優雅なクルージングだ。しかしその先に深江ベタ踏み坂が遠くから姿を現す。近づくほどにペダルが重くなってくる。

深江ベタ踏み坂、一気登り
坂の前でひと息整えてから挑んだ。「2速には、あえて入れん。3速で勝負。」前を見たら心が折れそうなので、うつむき加減でひたすら前へ進む。汗が目に入るが止まらない。
**なんとか登頂成功。**小さなミニベロでも、気合があれば登れる。


到着──石田鶏卵の名物、レトロうどんそば自販機
坂を下って少し折り返して左折すると、目の前に石田鶏卵の店先が現れる。その一角にひっそりと構えるのが昭和レトロなうどん・そば自販機だ。

価格は300円。昭和の名残が今も息づいている。300円を投入して迷わずそばをチョイスした。カウントダウンが始まり、「チーン!」という音とともに商品が出てくる。無造作に刺さった割り箸、乗っかる天ぷら、その下にはネギとちくわ。簡易テーブルに腰掛けて、箸を手に取った。


一口すすれば、体に染み渡る
まず出汁をひとすすり。決してうどん屋さんのような美味さはないが、「……沁みる。五臓六腑に、沁みる。」
坂を登って疲れた体に、温かい出汁が流れ込む。麺をすするたびに坂の疲れが消えていくような感覚だ。最後は出汁まで飲み干して完食した。



帰路はあの坂には戻らず、別ルートでのんびりと。それもまた旅の醍醐味だ。
まとめ:レトロ自販機のそばは「普通」だけど、特別なんだ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 場所 | 石田鶏卵(〒658-0023 兵庫県神戸市東灘区深江浜町110-2) |
| 名物 | 昭和レトロなうどん・そば自販機。店舗開店時は卵を落として月見も可能 |
| 価格 | 各300円(税込) |
| 特徴 | 天ぷら・ちくわ・ネギ入りの自販機そば |
ライドのついでに「昭和体験」、してみませんか?
普通のそばだ。出汁も麺も、特別うまいというわけではない。でも──味じゃなく、物語なんだ。
坂を越えた先にある1杯のそば。それは日常に潜む、ちょっとした非日常だ。時間のある朝に少し早起きして、ミニベロで昭和にタイムスリップしてみませんか?




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